ロンドン五輪で内村航平選手が金メダルを獲得したことで、有楽製菓(小平市小川町)の
チョコレート菓子「ブラックサンダー」が飛ぶように売れている。
この菓子は内村選手の好物として知られ、前回の北京五輪後も、同社は売り上げを伸ばした。
今回の金メダルで例年の約4倍の売り上げを記録。同社の2度目の五輪特需に、担当者はえびす顔だ。
体操男子の個人総合の競技会場で、金メダルを獲得した内村選手が表彰式後、花束を母周子さん
のいる観客席に投げ入れ、周子さんが会場にいる息子に「ブラックサンダー」を投げ渡す――。
この時の映像や写真がメディアで報じられると、有楽製菓に注文が殺到した。
チョコレート菓子は通常、夏場の売り上げが落ち込み、例年だと1日の出荷量は700~800ケース
(1ケース320個)ほどだが、メダル獲得後、約3000ケースを出荷。
「この時期では大変多い出荷量だ」と、マーケティング部の伊藤大介係長(35)は話す。
有楽製菓は1955年創業の中堅菓子メーカー。安くて夢のある商品の提供を経営理念に掲げ、
ココアクッキーとビスケットをチョコレートでくるんだ30円(税抜き)の「ブラックサンダー」は、
同社の主力商品だ。
元々、チョコレート菓子の評判が良かったが、08年8月の北京五輪で銀メダルを獲得した
内村選手を紹介するスポーツ紙などで、「ブラックサンダー」は内村選手の「勝負食」と
報じられると、取引先から注文が増加した。
5000ケースの在庫は5日ほどでなくなり、1日平均300~400ケースだった出荷量が、
約1000ケースになった。特需は8月いっぱいで終わったが、同社は翌月、夜間も生産する
量産体制を取り、販路拡大に努めた。
不安はあったが、さほど落ち込むことなく、その後も順調に売り上げを伸ばしていった。その結果、
09年7月の決算で、売上高は前年比15億円増の61億円を計上した。
(2012年8月9日10時34分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120809-OYT1T00409.htm 「これからも内村選手を応援したい」と話す伊藤係長
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