つづき
しかし、誰もが添い寝ビジネスに好感を抱いているわけではない。
ジャクリーン・サミュエルさん(31)がニューヨーク州ロチェスターで添い寝ビジネスを始めたところ、
近隣住民はいかがわしい客が集まるのではないかと心配したという。
サミュエルさんは2年前に商業地区に移転し、現在は45分で50ドル、1晩425ドルでサービスを提供している。
VIDEO 閉店した店もある。ウィスコンシン州マディソンにあった「The Snuggle House」は2013年に店をたたんだ。
マディソン警察署の広報担当者、ジョエル・デスペイン氏によると、添い寝サービスを装って、
それ以上のサービスが提供されるおそれがあるという住民の懸念があったためだ。
警察は業務内容を調査したが出頭を求めるなどそれ以上の調査は行わなかった。
添い寝ビジネスが展開されている数都市の警察に問い合わせたところ、これまで苦情の申し立てはなく、
営業は法律に従って行われていると思われるとの回答を得た。
特別な訓練を受け、資格を取得する必要があるマッサージ師とは違って、添い寝をするのに資格はいらない。
業務の監督はその地域の規制に基づいて行われ、営業するには土地利用制限や在宅ビジネスの
許可取得などの条件を守らなければならないこともある。
米国の添い寝ビジネスのパイオニアと言われるのはトラビス・シグレー氏(27)だ。
長髪のシグレー氏は学生時代、心理学を学んだ。ストリッパーだったこともあるという。
シグレー氏がサンフランシスコで添い寝ビジネス「Cuddle Therapy」を立ち上げて以降、
看板を掲げて自営でサービスを提供したり、オンラインサービスと契約して仕事を始める人が出てきた。
添い寝サービスを提供するに当たって、顧客が顔を近づけていい体の箇所を契約書に明記したり、
触れてはいけない箇所を身体図に赤字で示したりする会社もある。
オレゴン州ポートランドの「Cuddle Up To Me」では、顧客はひざから下に触ることはできても、
太ももから上は触れない。添い寝の様子は防犯カメラで監視しているそうだ。
添い寝の前にシャワーを浴びて歯を磨くよう求めるところもある。
「抱きしめられるだけだとわかってがっかりするお客さんもいます。でも、そういうサービスなんです」
―15の州で添い寝サービスを展開する「The Snuggle Buddies」で働くベッキー・ロドリゲスさん(34)は話す。
研究によると、触れ合いは肉体的、感情的に有益であることがわかっている。
触れ合うと、オキシトシンの数値が上昇することがあるという。オキシトシンとは温かい感情を
促進するホルモンで、視床下部によって分泌される。
触れ合いによって心拍数が下がったり、ストレスが和らいだりする可能性もある。
女性たちが夫や恋人に正しい抱きしめ方を学んでもらおうと、添い寝サービスに利用させることもあるそうだ。
以上
2015 年 1 月 11 日 ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11685468879700404194004580392392025789552?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird