ご飯やパンなどの炭水化物の摂取が、長期にわたって少ない人は、多い人よりも死亡率が高まる可能性が
あるとする調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめ、科学誌プロスワンに発表した。炭水化物の摂取を
極力控えるダイエット法に一石を投じる成果として注目される。
国立国際医療研究センターの能登洋・糖尿病代謝内分泌科医長らが、米国と欧州で、70代~30代の男
女20万人以上を26~5年にわたり追跡した住民健康調査などのデータを解析した。その結果、総摂取
カロリーに炭水化物が占める割合が40%以下と、低い人の死亡率は、炭水化物の摂取割合が高い人(同
60%以上)の1・3倍だった。
炭水化物を抑えた食事は、短期的には血糖値が下がり、コレステロールの値が改善するなど、心疾患のリ
スクを下げるとの報告がある。ところが、今回の解析では、長期間の低炭水化物食が、心疾患のリスクを
下げる傾向は見られなかった。能登医長は「低炭水化物食は短期的には減量などに効果があっても、長年
続けることには慎重になった方が良い」と指摘する。
2013年1月28日15時30分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130128-OYT1T00885.htm PLOS ONE/IF 4.092
「Low-Carbohydrate Diets and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies」(英文)
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0055030